パソコンとの出会い |
私は昭和24年(1949年)併置中学校を卒業と同時に、家計を助けるために15才で街中のカメラ屋さんで暗室技師として働き始め、その後小さな会社に就職しサラリーマン生活を続け、約50年近く働きづめだったので、そろそろ年金生活で趣味を見つけて気楽な日々を過ごそうと思い、当時流行りはじめたWindowsパソコンを購入し独学で勉強を始めた。 実はサラリーマン時代の総務部勤務の際に、経理のコンピュータ化を社長から指示され当時は、まだオフコン全盛の時代で1000万円をはるかに超す投資は小さな会社にはとても無理で苦慮していた。ある時、日経新聞にソード社のPIPSという簡易言語アプリ搭載のパソコンを10日間無料貸し出しの広告を見つけ早速申込み使用したところ、意外に簡単に使えそうだと感じ総額250万円を投資しプリンターを含む機器一式を購入することにした。勿論PIPS-OSにワープロと表計算ソフトも付いていて、すぐにも使えそうだった。 ところが自社に適した経理システムを表計算ソフトに組み込むには、そのプログラムを自社開発しなければ、本格的なシステム構築が出来ないことが分かり、急遽プログラムを組む勉強を始めた。幸いにも同じような仲間が6名位いて、ソード社のエンジニアを講師に週1回程度、仕事が終わった後の18時から22時頃までソード社のPCルームに集まりお互いに研修会を開き、アイデアや意見を闘わせながらシステムを組み上げていった。半年でほぼ組上げ、半年の試行期間を経て本格稼働にこぎつけた。このプログラムは、その年の全国PIPS プログラム・コンクールで優秀賞を受賞し東京での授賞式に招待され、全国PIPSユーザーの仲間と交流することが出来て光栄であった。その後開発した給与プログラムと共に、1,999年まで使用されたがPIPSのベースだった基本OSが2000年問題に対応しきれず13年働いてくれたが残念ながら引退となった。 この時の経験で、1996年に東芝のWindows95パソコンを購入したが慣れるのにはそう苦労はしなかった。NETが進化するとともに興味が倍加して、新たな知識も次々と吸収していった。 その頃、新聞にパソコン同好会お誘いの記事が出て私を含め10数名の人たちが集まった。半月に1回程度の例会をもってお互いに教えたり教わったりするようになったが、自然に教える側と教わる側に区分されるようになった。とても楽しく意義ある会でオフ会なども盛会だったが長続き出来ず自然消滅となった。しかしその会員で今も立派な活動を続けている方もあって、初期の目的は達成されたと思う。 さて私は1998年職安の紹介で、市内に出来たIT教育を専門的に行う会社と委託契約をして頂き、大勢の生徒さんを前に”一太郎”や”ロータス”などを教える講師役を引き受けることになった。 最初はインストラクターの経験豊富な先輩方のサブについて、少しずつ講師経験を重ねていった。先輩方にはとても厳しい人と、親切で講師のイロハを丁寧に教えてくれる方もいて、現場での実践教育を受ける中で、少しずつ私の個性を生かした指導方を身につけていった。 その後のパソコンの進化は目を瞠るものがあり、OSやアプリケーションソフトを始め通信回線の高速化も目覚ましいものがあり、日々勉強をしなければならなかった。そしてWordやExcel・PowerPoint・ホームページ作成・Internet・Mailと私の担当する授業科目も増加し、一時は専門学校や職業訓練校での講師も経験した。 その過程で、私が講師として教室で自信をもって受講者と接することが出来るようになったのは「60才以上のパソコン初心者講座」が毎年市の主催で市内7ヵ所の老人福祉センターで行われるようになってからだった。 自分が過去に経験したことで、本当の初心者の気持ちが良く分かり、説明の仕方一つで、難しいが楽しかったし、もっと先の知識を知りたくなった・パソコンを買って勉強を続けたいなど、受講後前向きに進む気持ちを持ってもらえる方が多くなり、自分の立ち位置が決まったと確信できたことだった。 この、高齢者パソコン教室は昨年度まで8年間続き、私が担当した受講生は1000人を軽く超え、今では街中で先生!と声をかけて頂く方が多くなり私にとっての大切な宝物となっている。 また、3年前から視覚に障害をお持ちの方のパソコン授業を担当する機会があり、音声ソフトが読み上げる音だけを頼りにマウスを使わず109キーボードの場所を暗記してWordやExcel・Internetなどを必死に習得しようと頑張られている方との出会いも、私にとって大きな転機となった。 この経験がホームページ・リニューアルのきっかけとなり、アクセスビリティに配慮した、今回の更新の際の基本ベースとなった。今後もいろいろな障害をお持ちの方にも楽しんで頂けるようなサイトに成長出来るように心がけていきたいと思っています。 |
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